2005年度 理事長所信


社団法人立川青年会議所理事長
矢澤 俊一


立志創新

時代の大きな転換期を迎えるに辺り、2003年度目的達成の為に、立川JCの2000年代運動指針は創られ、昨年40周年の節目に次の10年間を方向づける政策という立川JCのアクションプランを策定しました。本年はそれらをムーブメントとして展開する「立志創新」元年と考えます。
変革する勇気、継続するための努力大きな変化を求めるためには既成概念にとらわれず、なぜ今まで継続されてきたのか、その歴史を知る事による新たなる変革のきっかけを作る。2005年度はこの事を基にしっかりと議論し、地域主権型社会の実現に向けて実行、運営されていく運動体にしなければならないと考えます。青年会議所の様々な事業に必要なことは、自分たちが生まれ育ち現在までの成長への糧となったまちやそこに住む人々が、如何にしたらより豊かで住みよい社会として継続的に発展していけるのかを真剣に考えて行動する事だと考えます。また、私達が地域に運動展開する事とは、どんな事をどのように自分達の子孫に繋げていけるのかを地域の方々と一緒に考える事であります。そして地域に生き、活かされている事に気づき、その恩恵にどのように報いることが出来るかを考え行動する事だと思います。


Think Global

新世紀が幕を開け久しい中、地球上の状況は様々な面で混迷状態にあります。その中でも最も顕著なことを取り上げると代表的な2つの事柄があります。
まず、各国で起きている戦争や民族紛争を考えると政治・経済・宗教そして貧富の格差などの要因によって、いまだに一般市民の尊い命が奪われ続けています。これは、結果的に一部の政治家達によって引き起こされ、国連といえども一国の意見に耳を傾けすぎているという現実があります。
もう1つは、地球規模での環境破壊であります。これは人類がその独り善がりの発展だけを求めた結果、オゾン層の破壊によると見られる温暖化による異常気象など様々な要因で人類を含む生態系そのものに深刻な影を落としています。世界はいったい何に向かって突き進んでいるのでしょうか。
しかし人類はこのような状況下に置かれながら我々の子孫の繁栄のためにも脱出し、生き続けなければなりません。
各国のリーダーや人類全体が互いを尊重し、多様性を認め合う事で争いは防ぐことも不可能ではないはずです。また、全世界の人々が環境に配慮した生活や取り組みをすることで持続可能な社会が築けます。それには教育や経済をはじめとする、世界規模での協働体制が不可欠であり、個々の危機管理の意識を持つという事が大変重要になっています。各々が自分だけのことだけを考えるのではなく、もっと視野を広げることが必要です。


Act Local

私達の国や地域に目を向けると、そこには産業経済大国になる過程において作られ、今尚その利用価値をも見出せないまま置き去りともいうべき負の遺産(ソフト・ハード)が多々存在しています。それは物質的な豊かさだけを追い求め、そこに人が居るということを無視して推し進めてきたつけが切実な問題となっています。
142,800余名の犠牲者を出した80年前の関東大震災や数年前の阪神・淡路での大震災の凄まじさをもだんだん記憶から遠ざかり、日本各地で様々な天災が起こっているにも拘らず地域での危機管理意識は不十分に感じます。それは、環境・防犯・治安についての意識も同様に不十分に思います。今の意識や状態で本当によいのでしょうか。今日、明日にも自分たちの住むまちで災害が発生した時に対処できる人は無いに等しいはずです。
しかし、幸いにも防災関連施設が充実しているまちであるという利点があります。それを地域市民が活用しない手はないと思います。
そこでこの特性を活かし、立川JCが関係諸団体・地域と協働し、私達が住む地域の様々な問題点に耳を傾け、慢性・蔓延化している問題に気づく意識を持ち、解決に向けて迅速に行動を起こす事が我々若者の宿命であると考えます。さらに、出来る事に積極的に取り組むことが若者の使命でもあります。環境や産業・まちづくりに於ける経済的効果に関する事のみならず、教育や文化、人の心の豊かさ、様々な問題改善の為に積極的な変革の創造の為、我々は運動を続けます。身近に出来る事、身の回りの問題が起き、解決する為にはその問題が起きたときの状態のままでは到底解決する事は出来ません。それは会社や家庭、さらにはJCにおいても同じです。


Movement

今一度振り返り考えてみましょう。自分がこの世に生を享け、何のために生きているのか、なぜ私たちはJCで活動しているのかを。その使う時間の大切さ。活かされている意味の重要さ。現在ではJCにこれまでとは少し違ったオファーが求められているのではないでしょうか。まず第一歩を…今まで何度となく耳にしている意気込み。実際にその一歩を踏み出し、JCの為のJC運動から本当の意味で地域・社会に必要とされるJCムーブメントへ。そして、自己満足ではない意味のある運動をとおして、存在価値をアピールしていきましょう。
私は良く物事を劇に例えます。JCと言う舞台は様々な人にその題材に関心や興味を持ってもらうことにより観に来てもらえます。我々は一つのテーマを通して人々に訴えかけます。その舞台は様々な人々によって準備され、役割を把握しお互いの立場を理解し分担作業によって成り立っていきます。誰一人として欠けても舞台は成功できません。また、その出来・不出来によって公演は長くも短くもなってゆきます。そして何よりもJCという舞台が特別なのはその公演に共鳴した仲間がいつでも共に舞台に立つ事が出来る事です。


Recruit & Training

「出会い」そこから始まる無限の可能性。立川JCの目的である(明るい豊かな社会の実現・夢がかなうまち立川)を達成するためにもメンバーリクルーティングは最重要課題の一つです。新しい仲間との協調によってその若者が持つ情報や情熱が互いに共鳴し合い目的に向かってアクションを起こします。歴史をも動かすムーブメントの原動力には若者しか持つ事のないパワーが必要です。創設以来「LDの立川」政策をとってきた背景を全メンバーの統一意識とすると共にJCプログラムを用いて、人間力開発という視点に立ち、人としてのモラルスタディをもって毎年入会してくる同志に立川JCに入ってからのメリットを強調し違和感のなくスムーズに溶け込める環境を作り活動分野を広げます。新しい仲間と行動を共にするために、既存のメンバーはもっと基礎となるルールやリーダーシップについて勉強をしなければなりません。経験豊富なメンバーも多数在籍しています。様々なプログラムを通して立川JC全体のレベルアップをはかり、入会3年以内のメンバーを対象としたアカデミー研修プログラムを作成し、早期に応用が効く知識習得と翌年以降実践を重ねられるソフトを作り上げていきます。知識のレベルアップしたメンバーを基に充実した対外広報活動を積極的に行います。そしてその情熱をキャッチする人々の目に触れるビジュアルに必要なのは、魅力的でインパクトのあるブランディングです。


International

日本国も近い将来外国人との交流が多く見込まれ、多文化共生を図ることが重要になっていきます。そこで地域社会における国際化の推進を考えた時、JCには様々な教育プログラムやセミナーがあり、その一つにJCI国際アカデミーがあります。また2000年代の運動指針の中にフォーラム21の題材の一つとしてその誘致が上げられています。この事業を立川に誘致する事によりもたらす効果は計り知れません。立川JCとしての出向戦略もあわせて考慮し、誘致実現に向けた取り組みを推進する事で国際的な視野を養い、地域の現状を学ぶ事が出来ます。観光立国を目指す国策、少子高齢化等での要因による地域の国際化対策を調査・研究し、立川JCメンバーの意識高揚を図ります。また、本年は韓国姉妹JCの温陽JCが35周年を迎えます。翌年の姉妹締結35周年に向けての意見交換等も積極的に行います。先輩達が積み上げてきた35年の歴史を基に、更なる友好関係を図ります。


Town

住みよいまちには文化・経済が息づいているものです。トータル的に計画されないまま作られてきたまち並みを将来に向けて改善していくためにはクリエイティブなアイディアで変化を求めるための問題提起と行動が重要です。その向かうべき方向が間違ってしまえばまちづくりどころか、発展の方向はありえません。商店街を例にとると発展しない理由のひとつとして考えられるのは、まちとしてのゾーニングが無い為に魅力ある店同士が相乗効果を生み出すことがないような気がします。人々を呼び込むためには様々なキャンペーンや地域独自のイベントの創造と人の流れをつくる必要があります。それには立川・国立・武蔵村山それぞれの地域特性を分析し、地域のアイデンティティーを確立していく必要があります。そこで地域社会の産業・経済の発展を促す為の調査・研究によって、まちを見直し、まち全体を向上させるための様々なプログラムや地域市民との協働プロジェクトの実施による運動は立川JCに課せられた大きな役割であると考えます。持続可能な社会を築くために、個と公(権利と義務・自由と責任)の調和を相互に理解をし合うことが肝要です。モラル向上のための条例づくり等も一考に価します。


Education

「けがれを知らない子ども達」、なぜか最近では耳にしていないのは気のせいでしょうか。犯罪の低年齢はさらに進み、実際には無限の可能性を秘めた金の卵たちが、道徳心を失い想像を絶する凶悪犯罪に手を染めてしまう。そしてその本来進むべき方向をも見失わせるのはもはや現代教育(学校教育・教育制度)の限界点がそこにはあるのかもしれません。わたしたちJayceeがその足りない部分の役割を担い、次代を担っていく子ども達と地域・家庭・教育機関そして企業が協働し、関係諸団体との連携を取る活動を推進すると同時に、子ども達に夢や向上意識を持たせる為の年間プログラムや事業を実施します。その為には大人が子ども達に情熱を持って伝える事、そして真剣に取り組む姿を見せる事が必要です。


Vision

何のために・何を目指して・何故この事業をするのか。夢(目標)を具体的(スマート)なかたちで設定し提起する事が大切です。メンバーがそのことを調査・研究及びその向上の意味を理解し議論を重ね、推進していくためには志がすべてのスタートです。我々一人一人がまちを愛し、人を愛し、そしてJCムーブメントに携わる事に誇りを持てるようにしなくてはなりません。また、JCという組織の特性を最大限に活かし、持続可能な組織の確立に向けて我々メンバー一人一人のベクトルをあわせる事により、明るく豊かなより良いまちづくりができるはずです。
この一年間をメンバーの皆さんと共にすばらしい時間を共有できる様、精一杯頑張ります。地球(まち)を知り、自分が今直ぐに地域(そこ)で出来る事。まず始める事にしましょう。
我々一人一人の魂の叫びがかたちに出来るように。

矢澤俊一理事長写真