2006年度 理事長所信


社団法人立川青年会議所理事長
尾上 研児


Become better than ever
青年としての使命を自覚し積極的に行動しよう
国・地域を愛し、その力を信じて

我々は地域の将来を真剣に考える
高い志を持った青年の集まりである



リーダーとして

人類史上いまだかつてないスピードで世界が進化を遂げたといわれる20世紀。我々の住む国日本も、戦後の荒廃の中から目覚しい発展を遂げました。 GNP等の様々な統計上の数字が示す様に、現在の日本は世界的に見ればとても恵まれた国です。スイッチを入れれば電気が、スーパーに行けば当たり前のように食べ物を得ることができ、全ての子どもたちには不自由のない平等な教育の機会が与えられています。しかしながら、我々が常識と捉えているこのような生活のスタイルが全く通用しない地域が世界的には多数存在します。 この国に住む者として、欧米諸国に追いつこうと努力され、恵まれた日本を創り上げてきた先代に感謝せずにはいられません。
この国、この地域には先代が与えてくれた恵みと力があります。大きな可能性とエネルギーも満ち溢れています。その可能性をさらに大きく育て上げ、夢のあるすばらしい国、地域を次世代に引き継いでいくのは我々青年の使命であるはずです。私達は地域に貢献するリーダーであります。大きな視野を持ちながら、更なる明るい豊かな社会の実現に向け運動を展開していきます。


「実現」に向かう

我々の目指す明るい豊かな社会とはいったいどんなものなのでしょうか?日本の青年会議所は明るい豊かな社会を「創造性豊かな、いきいきとした活力ある社会」と位置付け、その実現に向け運動を展開しています。いきいきとした活力と言うには、現在の社会はあまりにもあらゆることに関して無関心すぎます。誰かがこの問題を解決してくれるのではないか?そう思ってしまうことはありませんか?この国の物質的豊かさから醸成されるある種の満足感に浸りすぎ、依存型の思考が蔓延しています。又、上を目指そう、今よりも良くならなくては、と言った向上心も希薄であります。その為、せっかくの地域にあふれる可能性とエネルギーを活かしきれていません。一人でも多くの市民が自己責任意識を持ち、地域の事を我が事と捉えて率先して行動していける、そして東京、国をも動かしていく。立川青年会議所はそのような活力ある社会の源であるべきです。

我々がリーダーとしての資質を備える為に自助努力する事はもちろんの事、地域から求められている運動を展開してこそ意義があります。自分たちの勉強したことの発表や資質向上の為の研修だけで終わってしまうのは運動ではありません。運動(目的を達成する為に地域で積極的に行動する事)と活動(組織内で活発に動いたり働いたりする事)の違いを認識し、地域団体、行政等とも手を組みながら、発表や発信だけに留まらず、社会をより良い方向へ変革していく具体的な成果を創出していかなくては「実現」には結びつきません。地域から求められている運動は、目に見える形となってまちに現れるか、青年会議所特有の単年度制の枠を超え地域に根付いていくはずです。蔓延しがちな無気力・依存型の思考を振り払い、真に自立した地域社会の形成に向け、失敗を恐れず青年らしく正々堂々と、地域の内外関わらず率先して行動していきましょう。


地域が変わる、地域に根付く運動を

40年余りの歴史の中で立川青年会議所は、諸問題を調査研究し数々の事業を地域社会の発展の為に展開してきました。まずはそれらを社会からのニーズを汲み取り、更に時代に即した形で進化・継承していきます。 同時に、地域のあるべき理想的な姿を議論し、「夢がかなうまち 立川」の実現に向け具体的にまちをつくる、政策主導型の運動を行っていきます。創始のころから変わらぬ青年としてのパワーと若い感性を活かして。

○経営・環境
企業経営を考える時に、環境問題は忘れてはならないものです。青年経済人として、環境保全と持続可能な社会の構築に対して我々自身も理解と認識をまず深めるべきです。経営的な観点から環境問題を捉え、コスト削減にも結びつけながら企業の社会的責任を考えていきます。青年会議所はゼロエミッション等を広く訴える運動を今までも行ってきましたが、メンバーひとりひとりが更に高い使命感と共通認識を持ち独自のネットワークを活かし地域で取り組むべきことを伝えていきます。
○まち
立川・国立・武蔵村山にて2005年度創設したフォーラム21(市民会議)を継続して行っていきます。それぞれのまちの特性を調査・研究、議論し、夢のかなうまちに向け運動を展開していきます。生産性を高めるには、市民と共に行う資質向上や知識習得の為のセミナーを行う事も必要です。
一方、地域からだけの視野では解決しえない事柄も多々あります。三多摩の中心的役割を担う立地にある青年会議所として、近隣の地区とも共同して運動展開を図ります。横田基地の軍民共用に関する物等には、積極的に関与していき、市民の意識・関心を高めていくべきでしょう。又、条例改革や構造改革特区制度等も活用し、根本的な社会的ルールを改革する事も視野にいれていきます。市はもちろんの事、都や国家レベルの政策立案等にも目を向け、より広域的な観点からこのまちを良くしていく事に取り組んでいくべきです。
○教育
子ども達が地域に愛着を持ちながら、今よりももっともっと自由で大きな夢を描いてもらいたい。次代を担う子ども達の成長を真剣に考え、教育問題に取り組んでいく事は私たちの責任の一つです。豊かさから生まれる夢やキャリアの選択の自由はすばらしいものですが、自由とわがままを履き違えないよう現実と社会の厳しさを様々な形で伝えてあげる事が必要です。又、立川青年会議所が主体となり、地域と協力しながら社会貢献をキーワードにした地域に根付くプログラムを行っていきます。
○国際
恵まれた国に住む者として世界への貢献を考えていく事は必要であり、無関心を装うべきではありません。青年会議所組織は日本だけに限らず、世界中に存在しています。そのネットワークを活かし、様々な形で国際貢献をする機会が我々には与えられています。貢献を通じ、恵まれている我々がノーブレスオブリージュの気概をもち行動していく事の重要さに気づかなくてはなりません。そして、習慣や言葉、文化の異なる人々と接する事により、薄れてきている日本人としての誇りや文化を継承していく事の必要性も再認識できるはずです。Think Globally、Act Locally. 地域の国際化や世界貢献を見据えた運動を積極的に行っていきます。


ベースとなるもの。組織力と人間力。

自らの組織力そして個人の人間力の向上は全ての運動の幅を広げます。地域を変革するリーダーとして行動していくにはある一定の知識や能力が必要となってきます。社会貢献のできる人材を育成しながら、組織としての能力を向上するプログラムを実施し、地域の中で頼られる魅力のある団体を目指していきます。様々な分野で運動を展開する団体として、その分野でのスペシャリストをメンバーの中から育成していく事も取り組んでいきます。又、研修のノウハウの蓄積を行い、地域の中でも必要とされるプログラムを提供していく事も考えていかなくてはなりません。自分たちの研修だけで終わらない、市民の皆さんと共に向上していく事のできるリーダーとして行動していきます。
人間力あふれる市民が、地域の事を我が事として捉え「夢」を「かたち」に変えていく。正に我々の目指す活力ある社会がそこにはあります。


常に成長を心がけ、正のスパイラルへ

いつの時代にも、大きな変化をもたらす原動力になってきたのは青年達でした。同じ志を持つもの同士が集まり、議論し合い、新しい国や地域を創造してきました。困難を乗り越えその使命を果たした青年達が手にした達成感は想像の域を超えます。困難を乗り越える支えとなるものは、志の高さと、同士との信頼なのでしょう。信頼関係はお互いを理解し合い、尊重する事から築かれます。メンバー間だけにとどまらず、地域の皆さんとも更なる信頼関係をお互い理解しあうことから構築し、手を取り合いひとつのベクトルに向かって行動を興せたとき、大きな成果や進化を創出できます。
個人も組織も、そして社会も常に進化を続ける必要があります。自然摂理の中でも、環境への順応を怠り現状に甘んじ成長、進化を諦めた者は淘汰されてきました。青年会議所もこの組織を取り巻く環境、時代の現状認識を厳しい自覚を持って行い、進化を続けていかなくてはその存在意義を疑われることになります。運動のクオリティーを向上させる事を常に意識し、期待を上回る成果を残せた時に初めて地域から認められる存在となります。そして、周囲の予想、期待を上回った時感動が生まれます。感動を生み出す事のできる個人、組織を目指し、積極的変化を創造するリーダーとして進化の正のスパイラルを描き続けていこうではありませんか。我々のつくる21世紀が、今までで一番進化を遂げた世紀だと言われるように。


このまちには未来がある
だれも知らない、だれも描けないほどの
無限の未来がある

今、共につくりだそう
「夢がかなうまち 立川」

尾上研児理事長写真