「鉄の芸術家」

出演者:小沢 享志

今回の若者発掘プロジェクトでご紹介致しますのはこの方、

「鉄の芸術家」小沢敦志さん(34)です。

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小沢さんは栃木県のご出身で、立川に来たのは美術大学を目指し上京した際に、立川美術専門学校に通われたのが初めでした。その後、武蔵野美術大学をご卒業され、現在は瀬戸内国際芸術祭など、名だたる公募展の常連となっている、今後のご活躍がより一層、期待されている若手芸術家。

公共施設や会社、レストラン等の依頼で多くの作品を制作、展示し大活躍中の小沢さんですが、芸術家として駆け出しのころは、ビルの解体工事や美術専門学校講師としてアルバイトをされたそうです。アルバイトをしながら個展を開催し、そこで知り合った人との繋がりを大事にして来たからこそ今日があるそうです。

それでは小沢さんの作品をご覧ください。

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いかがでしょうか?

小沢さんは、身近な鉄製品を素材に作品を作り出しています。鉄は熱して叩くことで色々な表情を見せるところが魅力で、そして鉄製品から人為的な要素を取り払い元に戻して鉄の良さを出したいと語る小沢さん。確かにどの作品にも鉄が元から持つ独特の個性が出ていて面白いと思いませんか。

小沢さんは、お知り合いのご紹介で大学卒業後の2003年より共同で立川市富士見町の「石田倉庫」にアトリエを構えています。

「石田倉庫」は、10数名の芸術家の皆さんがアトリエを構える、倉庫を改造した三棟からなる集合アトリエ棟で、木工家具師、鉄工芸、陶芸、葉画家、PCを使った現代芸術など、集まった芸術ジャンルの多様さは日本では唯一という、興味深い場所です。芸術家の長屋といった感じでしょうか。「石田倉庫」が現在の様になってもう30年程になるそうで、著名な現代美術家の村上隆氏もかつて「石田倉庫」を出入りしていたといいます。そんな「石田倉庫」で芸術家の皆さんは、日々お互い刺激をしあって作品を作り出しています。

「石田倉庫」では年に二日間、オープンアトリエとして一般の方を招くお祭りを開催しています。昨年は11月に開催されお邪魔をしてまいりましたが、なかなかの盛況で気軽に芸術家の方たちと語ることが出来る面白いイベントでした。

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ここで小沢さんが大事にしている活動をご紹介します。

ワークショップ活動です。

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こちらの作品は立川市役所に展示してあるので、実物をご覧になった事がある方も多いのではないかと思います。これは小沢さんがワークショップで中学生と共同制作したものです。ワークショップを開催することは、芸術の面白さを伝えるだけでなく、小沢さん自身も自分ひとりだけでの制作では得られない刺激があるといい、今後も開催し続けていきたいと話していました。

小沢さんの将来の夢は、立川だけでなく、いろいろな地域で10年、20年かけて多くの人々と協力して公園や広場に進化し続ける鉄の芸術作品を制作、展示すること。成長する1本の樹を地域に植えていくイメージです。

毎年、毎年、ワークショップ等で多くの人々が少しずつ手を加えて、作品が進化、成長していく。想像するだけでわくわくしますよね。ぜひ、実現してほしいと思います。

最後にこちらをご紹介。

小沢さんの様々な作品を作り出してきた道具たちです。

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小沢さんは、「美しい色や形を製造するだけでなく、新しい美意識を世に提示する事が芸術家の仕事」だと語ります。

今日も「石田倉庫」で目の前の炎に負けない熱い気持ちでハンマーを振っている事と思います。

小沢さんの今後の更なるご活躍に期待しています。

小沢敦志さんHP (http://oza.jounin.jp

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聞き手:吉田健洋・稲場竜人・丸山瑞枝

記 事:吉田健洋

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