伝統文化の継承を担う若者ー刀剣研ぎ師の苅田直樹さん

出演者:苅田直樹 さん

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魅力的な若者を発掘、ご紹介させて頂いている若者発掘プロジェクト。

今回ご紹介致しますのは伝統文化の継承を担う若者―――。刀剣研ぎ師の苅田直樹さん(31歳)です。

刀剣は刀鍛冶が鍛錬し研ぎ師が研ぎ、鞘、柄、鍔などの拵えを作って始めて出来る伝統工芸品。研ぎ師の研ぎなしには完成しません。また曇った刀剣を蘇らせるのも研ぎ師の仕事です。

苅田さんのお父様も刀剣研ぎ師。立川駅南口で骨董も扱うお店を構えていらっしゃいます。取材もそちらのお店をお借りしました。お店の中は骨董品でいっぱい。刀剣、甲冑、火縄銃、陣笠などに囲まれての取材です。失礼かなと思いながらも周りをキョロキョロ。好奇心には勝てません。

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刀剣の研ぎの仕事は1本につき3週間ほどかかるそうです。結構時間がかかるものだったんですね。知りませんでした。特に研ぎ師の仕事の中でも内曇り(砥石)をかけることで刀鍛冶独自、刀剣独自の刃紋が表れる瞬間が好きだと話してくれました。多くの時間と手間をかけて表れる刀剣の刃紋。なんか良いですよね。本当の姿を取り戻す感じでしょうか。

今では立派な研ぎ師として活躍中の苅田さんですが、少年時代はそれほど研ぎ師や骨董に興味を持っていなかったそうです。それでもお父様は小学生の苅田さんに火縄銃をプレゼントするなど、英才教育?を施していたと笑いながら話してくれました。そして英才教育が実ったのでしょうか、お父様に一度相談して高校卒業後、苅田さんは刀剣研ぎ師を志し、九段下にある師匠の所で10年間の修業をします。修業は師匠、兄弟子に恵まれ充実したものだったそうです。

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研ぎ師の仕事を続けていくなかで刀剣との出会いも魅力の一つだと話してくれました。今までに乃木坂に名前が残る明治時代の軍人、『乃木大将』の刀も研いだことがあるそうです。ロマンがありますね。

現在は刀剣の研ぎを専門にしていますが、将来はお父様のお店を継いで研ぎ師と骨董を扱っていきたいという苅田さん。目標はやはりお父様だそうです。

苅田さんは取材の中で好きな刀剣は短刀だと話していました。短刀の控えめで大人しい感じがするなかにも、決して折れない力強さ。家業と伝統を守っていく苅田さんらしいなと思いました。 これからも伝統を守り続ける苅田さんの今後に期待しています。

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お店:美術・刀剣 苅田

住所:立川市錦町1-2-18

電話:042-523-2628

 

 

 

 

聞き手:吉田、前田、丸山、須永

カメラ:前田

記 事:吉田

 

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