Design Lab t.s.d.c 代表 佐藤宏樹さん

Design Lab t.s.d.c代表

大学講師・地域イベントプランナー・ワークショップデザイナー 佐藤宏樹 様

今回ご紹介するのは、大学講師・イベントプランナー・ワークショップデザイナーという三つの顔を持つDesign Lab. t.s.d.c.代表の佐藤宏樹さんです。

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・佐藤さんはどのような活動をされているのですか?

そもそものバックボーンとして大学に属していることもあり、また前職(予備校や公益法人職員)も含めて学生とは 色々と繋がりがあります。この繋がりを生かし、学生たちを様々な企画によって地域と繋げ、地域に出ていく場を作ることによって、様々な大人との出会いを通し、大学内では得られないキャリア感を養い、学生自身への『キャリアデザイン』という事に繋げていきます。 一方、地域側からの視点で見ると、若者が地域にたくさん出てくることで大きなエネルギーとして、地域が盛り上がることに繋がるのではないかと考えています。『学生のキャリアデザイン』と『地域のコミュニティデザイン』この二つをワークショップであったり、イベントを通じて繋げていくということをしています。

・Design Lab t.s.d.cさんとはどのような団体ですか?

産官学連携を前職で行っていたこともあって、産業・行政・教育機関、そしてさらに民間団体や住民などの4つのファクターを連携させることによって、地域活性化・まちづくり関係のプロジェクトを主にやっている団体です。産官学民連携コーディネーターという感じでしょうか。立川市を拠点に八王子市・府中市等でプロジェクトに携わらせてもらっており、最近では私の出身地である千葉でもお話を頂いて地域活性のお仕事に携わっています。 それぞれのまちづくりの目指す方向によって、ワークショップやイベントをそのニーズに合せて型作っていくという感じです。先ほどもお伝えしたように、そこに学生を絡めていくことが重要で、学生が地域に出るために例えばインターンシップという枠を使うのであればインターンシップのプログラムを作ったりもしますし、ビジネススキルのレクチャーをするようなワークショップなどもします。いかにスムーズに繋げられるかということを考えながらやっています。

・現在進行しているプロジェクトにはどんなものがありますか?

今動いているものはいくつかありますが、立川市で言えば「立川ミライ会議」ですね。 地域活動家の人たちと、これから地域で何かやりたい人たち。この2つのカテゴリーを繋げることで、それを具現化するような場を作っています。その同じ様なタイプとして千葉県の船橋市でもフューチャーセッションが現在動いています。

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・学生との良い関係を築くコツなどありますか?

なかなか難しいですね(笑)うまくお伝えできませんが、学生とはいえ彼らなりに、しっかり考えて行動しているので、そういった部分はちゃんとリスペクトする、という姿勢が大事かなと思います。

よく「学生だからしょうがない、これくらいできたら十分」みたいに話す大人がいらっしゃいますが、この話し方からすでに少し下に見ていると感じるんです。あとよくある言葉だと「学生さん」という単語を使うことありますよね。あの言葉好きじゃないんですよねー。あの「さん」に込められている意味を考えると、特別扱いをしているように感じてしまいます。さらにいうなら、お客様扱いをしている。もちろんすべての方がそういう意味として使ってらっしゃるわけではないと思いますが、受け取る側としては、そういう気持ちになることもあり得る。

そういう考え方ができるかどうか、大事なのは同じ視点で見たり、考えたり、悩んだりすることだと思います。

前職から含めて5年経ちますが、学生団体N.G.I の責任者というポジションにいます。最初は彼らと一緒になってイベント等を作ってきましたが、3~4年程経った頃から先輩から後輩へと引き継ぎがうまくできるようになってきましたので、私はある程度引いたところから見ています。ですので今はほぼ学生たちに任せています。「最終的な責任は俺が取るから好きにやってみなよ」みたいな感じです。ただ、ちょっと危なくなってきたなと感じたら要所要所で口は出しますね。反発される事もありますが、端から突っ返すのではなく、一度受け取ってから上手く自分の意見を巻き込んで返すみたいなことを心がけています。よくあるファシリテーションの手法ですね。さらに私が重視しているのは、振り返りの重要性を伝えること。イベント等をやりっぱなしにするのではなくて、ちゃんと振り返りをして次に生かすような場を意図的に作ったりとか、PDCAサイクルを回せるようにしています。

とにかく一緒になってやることが大事じゃないかなと思います。上に立つではなく、せめて斜め上くらいで立ち止まるということを心がけています。

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・学生たちの地域に対する想いは?

学生団体ができたのは3.11が契機なんですけど、そこをきっかけにもっと自分の地元に対して愛着を持ちたいなといった思いは強くなってきているように感じます。昔に比べると相対的にアクティブな学生が増えたように感じます。とはいえ自分から飛び込んで行ける学生はまだまだ一部と感じています。こちらから何かキッカケを投げかけてあげて、興味を持てるものであれば参加してくるという印象ですね。つまり、それだけのエネルギーポテンシャルが地域にはあるということにもつながりますよね。ただ、なかなか自分たちだけでは動きだせないので、その土台は準備してあげないといけないなと思います。そして実は新しくsuqという学生チームが動きだしました。こちらはまた違うプロジェクトを担うため、彼女たちの今後も楽しみです。

・佐藤さんがこの仕事を始めたきっかけは何ですか?

小さい頃にスキーで行った蔵王。昔はすごく賑やかなお土産屋通りがあったんですが、大人になって行ってみたらシャッター通り商店街になっていてとても寂しい気持ちになったんです。せめてその通り一本だけでも元の賑やかな通りに戻せたらいいなという想いが、 今の活動の起点になっているんじゃないかなと思います。

 

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・この仕事をしていてうれしい瞬間ってなんですか?

2つあるんですよ。 ひとつは、企画を作っている段階でいろんな人が関わっていて、最初はグジャグジャしていて全然動かないんですけど、ある時から目標に向かってガッと皆が1つになった時の感覚を感じられた時がすごくうれしいです。「コレは行ける!」と思ってゾクゾクしますね。 もう1つは、そこに携わった特に若い子たちの成長が見られた時は感動します。 その子たちの見た目の成長、現場での発言や動きなどもそうですが、イベント終わりでリフレクションという振り返りをするのですが、そこで総括として書いてきてくれる文章を見て「こんな事を考えていたんだ」 という意外な面を知れた時はビックリすると同時に嬉しいです。

・今後どのような活動をしていきたいですか?

特に地域活性の分野に注力して事業展開をしていきたいと考えています。今やっているプロジェクトも全てそちらの路線に繋げていきたいと思っています。 この仕事を始めるきっかけでもあり大きな野望ですが、過疎化した地方の観光地を地域の方々や若者と、最盛期とまではいかないまでも、何かしら別の方法で賑やかにしたいなという夢があります。そういった意味で地方進出が出来たらいいなと。地方を元気にしたいです。

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聞き手:長澤、高橋

記事:高橋

カメラ:長澤

Design Lab t.s.d.cホームページ:http://tsdc-llp.jimdo.com

 

 

 

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