LearningⅡ体験学習《自分のミライが変わる~世界の問題と私たちの問題~》

共感リレーション構築委員会 秩父あぐり 

2017年7月29日【土】に「LearningⅡ体験学習《自分のミライが変わる~世界の問題と私たちの問題~》」が女性総合センターアイムの1階健康サロンにて開催されました。立川市、武蔵村山市内中学生が参加をしました。
今回の体験学習の目的は「『2030年までに私たちはどんな社会(世界)で暮らしたいか』から、自分たちの暮らす地域の課題を抽出し、自分の社会の問題を発見し、主体的に取り組む環境づくりを行う」ことです。
当日は中学生とJCのメンバーがファシリテーターになって参加し4つのグループに分かれてワークを行いました。

まず、はじめにJCメンバーによって今までの事業の振り返りとSDGsについて再勉強を行いました。そして3つのキーワードを中学生に覚えてもらいました。「国連」「17の目標」「2030年」の3つです。2015年9月の国連総会でこのままでは世界が持続不可能になってしまうとして、2030年までに達成すべき17の持続可能な目標(SDGs)が採択されました。この3つのキーワードはSDGsを理解するのに大切です。2030年というと中学生の皆さんにとっては13年後26歳から28歳くらいですから、結婚しているかもしれないし、働いているかも、はたまたまだ勉強をしている学生かもしれないですねと話をしました。中学生にとったら遥か未来の気がして実感は持てないかなあといった様子でした。

そしていよいよワークに入りました。最初は個人ワークで「理想の『まち』を考えよう!」を行いました。2030年にどういう生活を送っていたいかの理想図を描いてもらいました。言葉で書いていたり、関連図を描いてみたり、生徒によって表現は様々でした。発表では「テーマパークがあるまち」や「今のまちはとても良い、理想です」といった意見もあり素直でまっすぐな中学生の意見が聴けてとても良いなと思いました。

 次に、立川市の移り変わりやまちづくりに詳しい本郷さんに立川市の優れている所や課題についてお話していただきました。立川駅の周辺は整備事業が行われここ20年で大きく様変わりしています。1994年の南口の写真と今の写真を比べるとモノレールが走っていて高架歩道がありとても歩きやすく移動しやすく変化しているのがわかりました。ここまで大きく変化しているまちは日本全国と比較しても中々無いとのことでした。私自身、立川で生まれ育っているので懐かしくそして大きな変化を実感しました。

 また改めてSDGs(持続可能な目標)について勉強しました。SDGsの17のゴールとは「1.貧困をなくそう2.飢餓をゼロに3.すべての人に健康と福祉を4.質の高い教育をみんなに5.ジェンダー平等を実現しよう6.安全な水とトイレを世界中に 7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに8.働きがいも経済成長も9.産業と技術革新の基盤をつくろう10.人や国の不平等をなくそう11.住み続けられるまちづくりを12.つくる責任つかう責任13.気候変動に具体的な対策を14.海の豊かさを守ろう15.陸の豊かさも守ろう16.平和と公正をすべての人に17.パートナーシップで目標を達成しよう」の17項目です。世界の国々で起きていることと日本での最新事情を交えての説明はとても分かりやすく、中学生たちもSDGsが何かを分かってきたように思いました。
そしてグループごとに話合って、自分達で考えた理想図に近いものをSDGsの17の目標から4つ選びました。グループ内で理想図を共有し、全員の望む生活を実現するためには私達が暮らす立川がどうなっているべきかをポストイットを使用して書きだし、その意見を統合して1つのゴールを選んで最後に発表しました。「11.住み続けられるまちづくりを」「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「10.人や国の不平等をなくそう」「8.働きがいも経済成長も」の4つの目標に決定しました。

 昼休憩を挟み、午後は各グループが選んだ目標を達成するために、2030年までに何をしなければいかないのか「ゼロ‐2030」へのアクションプランを考えました。理想を考え、その現状はどうか、課題はそして解決策と最後に私達はどうしていくかの宣言までを考えました。とても難しいワークでしたが、分からないことはパソコンを使って調べ、HELPカードを利用して本郷さんに教えていただいてみんなで協力してワークを進めることができました。発表資料は模造紙とファシリテーターのアドバイスを受けながらパソコンを使用してパワーポイントで作りました。

 「11.住み続けられるまちづくりを」のグループは、理想のまちが「ごみが落ちていないキレイなまち、ゴミに対する意識の高いまち」、現状と課題は「ポイ捨てに対する意識が低い」「他人事だと思っている」「エコバッグ、携帯灰皿を使用していない」「分別ができていない」「余分に買ってしまっている」でした。解決策として「ポイ捨てする人を注意する」「ゴミが落ちていたら拾ってゴミ箱に捨てる」「エコバックや携帯灰皿を使う」をあげました。「ゼロ‐ポイ捨て」をゴールに設定しそれに向けて「私たちは、2030年までにポイ捨てゼロにするため、自分たちから率先してゴミ拾い、ゴミの分別をして、ポイ捨てをしている人を注意することを宣言します」と発表しました。

「10.人や国の不平等をなくそう」のグループは理想のまちが「障害者や外国人でも働きやすい環境になること」、現状と課題は「外国人の中に不法就労の人がいるために、外国人のイメージが悪くなりがち。」「いまだに、第2次世界大戦のわだかまりが残っている」「外国人や障害者とコミュニケーションをとる機会が少ない」「障害者の能力に対して、健常者と同等の給与を払える会社が少ない」「障害者に人が通勤しやすい環境が十分ではない(通勤ラッシュ)」でした。解決策として「相手の立場を体験する機会」「日本人と外国人と交流する機会」「障害者の就労支援」をあげました。「ゼロ―社会的不平等」をゴールに設定しそれに向けて「私たちは、2030年までに立川市の社会的不平等(差別)をゼロにします。そのために、相手の不安な気持ちを理解する活動をすることを宣言します」と発表しました。

「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」のグループは理想のまちが「自然に優しい街をつくる」「再生エネルギーエネルギー自給率100%都市」「家庭で再生エネルギーだけを使う」、現状と課題は「人口減」「エネルギーを作っていない」「駅付近や主要道路の渋滞」でした。解決策として「テーマパークを作る」「化石燃料を供給しない」「2030年までに全世帯太陽発電設置」をあげました。「ゼロ化石燃料の立川」をゴールに設定それに向けての宣言は考え中でした。8月のプレゼンに間に合うように考えていきます。

「8.働きがいも経済成長も」は理想のまちが「ブラック企業がゼロの社会」で現状と課題は「労働者の立場が弱い」「行政の取り締まりが弱い」「労働者の労働の法律に対しての知識が薄い」「求職者が多い(有効求人倍率:0.56倍)」「労働者が助けを求める弁護団体などがあまり知られていない」でした。解決策として「労働者がブラック企業や法律について知る機会を設けること」「労働者が企業と戦う方法や助けてくれる団体について知ること」「国からの企業に対する罰則の強化」があげました。「ゼロー立川のブラック企業」をゴールに設定しそれに向けて「私たちは、2030年までにチラシを作成いて企業や街の人にPR活動をすることを宣言します」と発表しました。

 それぞれのグループで活発な意見交換が行われ、わからないことはアドバイスをしましたが、びっくりするような素晴らしい意見がたくさん出て宣言までたどりつきました。参加した中学生もこのグループワークを通して今までじっくり考えたことのなかったことを考える良い時間なったのではないでしょうか。また、普段は異なる学校に通っている中学生が一緒に考えワークをするのは視野が広がってとてもいい刺激になったのではないかと思います。参加する中学生の表情も朝と午後の発表のあたりでは全く異なり生き生きとしていると感じました。
 また、国連で採択された17のゴール、今までの体験学習では日本国以外の主に発展途上国が対象のような気持ちでいましたが、実際のワークで私たちの住んでいる立川市の理想・将来について真剣に考えることで本当に身近な課題であると実感しました。もちろん日本は発展途上国と比べれば恵まれた国ではありますが、それでも日本に住む人々が真に平等で公平で環境問題もない持続可能な社会を作るにはまだ足りないことがたくさんあるということもわかりました。
 次回、8月22日(火)は「ゼロ‐2030に向けて~私たちの提案~」として、衆議院第二議員会館にて今回ワークした内容を私たちの提案という形で国会議員の方に対してグループで提言を行います。当日参加する中学生は制服での集合ですが、今回選んだゴールのテーマカラーの色のTシャツ(当日配布します)を着て発表します。とても楽しい会になると思います。今回参加した中学生の皆さん体調に気をつけて当日ぜひご参加いただきますよう、よろしくお願いします。また、Facebookやホームページに掲載をしていきますので、皆さまぜひこれからの報告にご期待下さい。